メトロマニラ完全封鎖!どうなるフィリピン新型コロナウイルス対策?

2020.03.14-- 最終更新日:2020/03/15

2020年3月12日、フィリピンの首都であるメトロマニラが3月15日から4月14日までの1か月間完全封鎖されるとの声明がドテルテ大統領から出されました。

Metro Manila to be placed on lockdown due to coronavirus outbreak~RAPPLER

セブに住む私がマニラに行ったのは今から4年前が最後で、特に用事もないので生活レベルでは全く問題はないのですが、今後セブにも同様の勧告が出ないとも限りません。

既に日本人を含む外国人の入国制限というニュースも飛び交っていることから、どの地域に住んでいようが、この首都マニラの完全封鎖はフィリピンに住む日本人にとっては全く無関心でいられません。

ということで当記事ではメトロマニラ封鎖の詳細を含む現時点でのフィリピンのコロナウイルス感染症(COVID-19)の対応状況をまとめてみたいと思います。

メトロマニラ封鎖とその影響

メトロマニラは、フィリピンの首都マニラ全域を指すのですが、フィリピンの政治、経済、文化、交通の中心地であり、人口は約1,300万人、マニラ市を中心に16市1町で構成されています。

言わば23区で構成される東京都のような行政区分で、マニラ首都圏とも呼ばれています。

近郊の都市圏人口は約2,300万人、このメトロマニラが完全封鎖されるということは、東京都が丸ごと封鎖されてしまうということで、都内に住む人が外に出られない、周辺地域の神奈川、埼玉、千葉の住民は都内に入れないという状態と同じでので、その影響は計り知れません。

メトロマニラ封鎖の概要

声明では、コロナウイルス感染症(COVID-19)への警戒勧告が最高レベルのCode Red Sublevel2に引き上げられ、メトロマニラ圏の封鎖が発表されました。

期間は、3月15日〜4月14日、主な内容はメトロマニラ域外への交通遮断(陸海空路)を停止するというものです。

声明の概要は以下となります。

  • 陸海空によるマニラ首都圏から/への交通機関停止
  • 学校の休校措置を4月12日までとする
  • 大勢が集まる集会、イベントは封鎖期間中禁止
  • 製造、小売り、サービス業等は営業継続を勧告
  • 域内公共交通機関は原則営業継続
  • 感染国からの入国制限

この他、メトロマニラ以外の地方都市の隔離ガイドライン、行政機関の機能停止(公衆衛生、立法・司法は通常通り機能)などが挙げられています。

これによりメトロマニラ圏内に住む約1,300万人はコロナウイルス検疫下に置かれたことを意味します。

この警戒レベルの引き上げに伴い、つまり3月15日からの一か月間、メトロマニラ域内に住む人は域内での移動に特に大きな制限は加えられないものの域外には出られず、域外に住む人もメトロマニラを訪問することができないということになります。

実は私の義妹が現在マニラで働いており、4月にミンダナオの実家に一時帰省する予定だったようですが、これも叶わないということになりますね。

このようにメトロマニラへの出入りが1ヶ月間制限されるということなのですが、域外からの物流、供給がストップしてしまうとメトロマニラに住む1,300万人の生活に深刻な影響が出てしまうため、封鎖後も域外からの商品供給などは行われるようです。
Goods can still be brought to Metro Manila, DTI exec says~ABS CBN

また専用のチェックポイントにてメトロマニラ内企業の社員証等を提示することにより、近隣の都市からメトロマニラ内の企業に勤める人が域内に通勤することも可能とのことです。
People from nearby cities, provinces can still go to work in Metro Manila: Año~ABS CBN

ダバオ市の緊急措置

フィリピン第3の都市ダバオではダバオ市民は市外に出ることが禁止され、短期滞在の旅行者は直ぐに市から出るよう勧告が出されました。

勧告の概要は以下となります。

  • ダバオ市住民の不要不急の市外への移動を控える
  • ダバオ市に滞在している短期旅行者の早急な市外への退去
  • ダバオ市への旅行は公衆衛生緊急事態が解除されるまで控える
  • 会合、集会、展示会、会議、パーティー等を中止
  • 全ての学校の授業を中止

ダバオ市は「封鎖ではない」としているようですが、メトロマニラとほぼ同様の措置が取られるものと思われます。

セブの緊急措置

セブではこれまで特に勧告は出されていませんでしたが、セブ市の全学校(私立・公立)が3月16日から28日までの2週間休校になるという発表がありました。
Classes in Cebu City suspended for 2 weeks~SunStar

3月13日現在、それ以外の勧告、発表は行われていないようです。

またセブのすぐ隣に位置するボホール島では、島全域をコミュニティ検疫地域に指定、3月16日から20日までの間、空海路の移動を制限すると発表されています。
Bohol bans tourists as the province implements ‘community quarantine’~KAMI

在留日本人、渡航者への影響

日本を含む感染国からの入国制限

ドゥテルテ大統領によるメトロマニラ封鎖の声明には感染が確認されている国からの渡航制限が含まれています。(フィリピン人及びその外国人配偶者・子,フィリピン政府が発行した永住査証所持者、9(e)外交査証所持者は除く)

声明では国内移動を停止するとありましたが、国際線の扱いに対する具体的な方針が出されませんでした。

日本は新型コロナウイルス感染国ですので、日本からの渡航も制限される可能性があるため、先の入国制限と合わせ混乱が生じていますが、以下の記事ではニノイアキノ国際空港(NAIA)の国際線は出発/到着とも運用されるとあります。

No suspension of Naia international flights, Palace exec clarifies~INQUIRER.NET

但しマニラ到着後の国内線移動等、メトロマニラ圏外への移動は禁止されているため、そのままマニラに留まらなければなりません。

到着者には14日間の検疫プロトコルが課せられるということです。
(検疫プロトコルがどのようなものなのかは不明)

マニラ以外の地方都市が最終目的地の場合は、クラークやセブなど検疫下に置かれていない空港利用を推奨するとありますので、現時点では入国制限は出ていないようですのでセブにも普通に来れるという状況のようですね。

但し、各都市とも感染者の発生状況に応じて最小行政単位からバランガイ、シテイ、プロビンスレベルの段階的隔離措置が取られることが規定されたため、セブで隔離封鎖措置が取られないという保証もありませんので、動向について日々チェックする必要がありますね。

留学関連への影響

フィリピン留学はセブ、マニラ、バギオなどが有名です。

セブについては日本人の渡航制限の情報は入っていませんので、現時点では入国は可能であると思われますが、3月16日からの学校休校措置に伴い、全ての語学学校の営業の停止を命ずる通告が出たようです。

TESDAとはフィリピン労働雇用技術教育技能教育庁で、フィリピン国内の教育機関の監督を行う政府機関です。

全ての語学学校はこのTESDAの認証を受け営業されています。

語学学校休校の詳細は不明ですが、セブに入国できても月曜日からしばらく授業を受けることができないという状況になってしまうようですね。

マニラは入国は可能であると思われますが、語学学校の営業についてはセブのような停止措置が取られるのかの確認はできていません。

バギオの場合、通常はマニラ入国後陸路でバギオに向かうという形になると思いますが、15日月曜日からはメトロマニラ域外への移動が禁じられているため、マニラ到着後バギオに移動することができませんので、クラーク空港から陸路入りなど、通常ルートを変更する必要があると思われます。

いずれにせよ、状況は流動的で日々変わっていきますので、当事者の方々はフィリピン、日本大使館、領事館、航空各社、語学学校等からの情報収集をお勧めします。

生活への影響

私が住むセブでは、学校休校以外の制限は出ていませんので、現時点で特に生活への影響は出ていません。

メトロマニラの封鎖は15日月曜日からスタートする訳ですが、域内の公共交通は通常通り運航され、物資の供給が途絶えるということもなさそうなので、域内で普通に生活する分には特に大きな影響は出ないのかな・・・とも思ってはいるのですが、既にパニック買いなども発生しているようですし、やはり通常通りとはいかないでしょう。

またメトロマニラの封鎖は、現時点で1ヶ月となっていますが、これが延長される可能性も否めませんし、そうなるとフィリピン全域でさらなる混乱が生じることも予想されます。

今後、セブが同様に封鎖されるという可能性も決して否めませんね。

なんせこのような事態は過去経験したことがないので、実際に生活にどのような影響が出て来るのかまったくわかりません・・・

取り合えず毎日更新される情報に注視しつつ、柔軟に対応していくしかない状況ですね。

2020年3月15日追記
セブでも17日から30日間のトラベルバンがセブ州知事から発表されました。

国内線及び船便でフィリピン国内他地域、都市からのセブ入りが禁止されます。

マニラ、ドマゲテは即日、カガヤン・デ・オロ、レガスピ、クラークからは3月16日から、その他の全線は17日からシャットダウンされます。

この記事では国際線の言及はなく、セブから他地域に出ることも禁じないとありますが、フライト、船便が止まってしまえば実質出ることができなくなるということになりますね。

その他、夜間外出制限(10pm~5am)、映画館、闘鶏場の一時閉鎖、飲食店は9pmを超えての営業は禁止などが発表されています。

Cebu to ban entry of passengers from outside province~CDN