【教育移住】子育て世代の海外移住を成功に導く心構え

2020.02.08-- 最終更新日:2020/02/09

私自身子供を連れてフィリピンに移住していますので、この教育移住という言葉は他人事ではなくずっと注目してはきたのですが、教育移住というと、まずおすすめの国やら地域、この学校がいい!みたいな情報ばかり。

海外旅行のオススメ旅行先!現地で体験できるアクティビティ!と大差ない、まさに海外旅行レベルの捉え方が大半なのがずっと気になっていました。

子供のみならず親の人生をも劇的に変えてしまうほどの威力があるのが教育移住ですので、決して海外旅行の延長線レベルで考えられるものではありませんよね。

ということでこの記事では、教育移住のオススメの国とか、学校とか現地で気を付けることみたいな情報はありません。

娘の実際の現地教育を通じて学んだ海外(フィリピン)での海外教育の要点、教育移住を成功させるために不可欠な思考性、心構えに迫ります。

海外移住の本質を理解する


以前より海外移住自体はもちろんありましたが、国際結婚やビジネスなどの事情、旅行で何度も訪問しその国に惚れこんでしまったなど、結果として海外に移住するというケースが多かったと記憶しています。

ここ数年の海外移住の傾向は、教育や就職、起業など目的や意図を伴ったものが多いのですが、まずそれ以前に「そもそも海外移住とはどういうことなのか?」その本質を理解することが大切です。

海外移住のトレンド

現在の海外移住の傾向、流れは特に私がフィリピンに移住したあたりから始まっているように記憶しています。

国内の外資系企業が増え、日本企業の海外進出や英語公用化の加速など日本のグローバル化が進み、日本人の英語力や国際的感覚の育成が多く叫ばれるようになり、当時はグローバル人材(パーソン)なる言葉もよく耳にするようになりました。

ちなみにグローバル人材とは、英語などの国際言語によるコミュニケーション能力、国際感覚を身に付け、海外で活躍できる人材像ということでしたが、あれから約10年、今ではほぼ聞きかなくなってしまいましたね(笑)

海外移住という概念は、このような日本を取り巻く経済や社会環境の変化、国際化という流れの中で変化、より一般化していきました。

教育移住はそんな状況の中、日本の英語教育を憂い、海外で英語教育を…という流れから派生したものだと思いますが、私は当初からこの教育移住という言葉に違和感がありました。

教育移住のみならず就職、起業などもそうですが、目的や意図が独り歩きし、海外移住という本質がぼやけていったからです。

教育移住の本質は海外移住

まず教育移住を検討する以前に考えていただきたいのは、教育が目的であったとしても、本質は海外移住であることに変りはないということです。

言い換えるとすれば、子育て世代の海外移住ですね。

海外移住とは、まず文化も習慣も異なる異国で生活するということなのですが、どれだけ海外旅行の経験があり、海外慣れしているとしても、実際に住む、生活の基盤を作るのは容易なことではありません。

かくいう私も、当時小学3年生の娘をつれてフィリピンに移住しました。

娘を英語環境で育てたいという娘の教育は移住の目的の一つではあったのですが、あくまで目的のひとつであり、それだけでフィリピン移住を決めた訳でもありませんし、教育移住などというくくりで考えたこともありません。

私が移住先をフィリピンに選んだのは、フィリピンが良さそうだからみたいな感覚や娘の教育を大前提とした訳でもなく、公私に渡り20年超フィリピンと関わり、結婚した相手もフィリピン人という背景から、現地事情にもある程度精通し、親族が現地にいて、ローカルの友人たちの助けも得られる状況が保証されていたからです。

そんな私でも、娘の教育環境を整えるのは実は容易なことではなかったんですね。

また、海外に移住するということは、ビザの取得などを含めコストや準備、手間もかかりますし、子供の将来のみならず親の人生にも大きく関わってきますので、長期的な展望が欠かせません。

ただ、その国に骨をうずめるほどの悲壮な覚悟まで持つ必要もないですし、取り組み方さえ間違えなければもちろん期待する以上の効果、メリットも得られるのが教育移住、海外移住でもあることは経験者(現在進行形)として断言はできます(笑)

教育以前に海外生活の基盤構築

現地の事情もわからない、下手すれば訪問したことすらない国に、ネットの情報だけを頼りに旅行感覚で教育移住!みたいな感覚は正直理解できません。

子供の教育以前に、まずその国での生活基盤が作れなければ教育問題どころではないのです。

言葉の問題、文化、習慣の違いによる生活ハンデを乗り越えるのは、子供はもちろんのこと親ですら、むしろ親の方が難しいかもしれません。

親自体がまず生活環境に慣れずに四苦八苦、ストレスまみれ・・・みたいな状況に陥ってしまうような状態では子供の教育どころではありませんよね。

習うより慣れろ」という言葉もありますが、実際に行ってみて四苦八苦、試行錯誤を繰り返すことで現地生活に慣れる、徐々に生活基盤を構築していくという方法もアリです。

ネット上にはそんな困難を乗り越え海外で幸せに暮らしている、充実した教育ができているというような武勇伝(笑)で溢れていたりもしますが、誰しもが同じように移住し、生活基盤を整えていける成功保証にはなりません。

失敗体験にはあまりフォーカスされず、逆に失敗し日本に帰国せざるを得ないというネガティブ情報は表には出てきませんので、「現地に行けばなんとかなる」的な考えで移住を実行してしまうのはあまりにもリスクが大きすぎます。

ひとり身の単独移住ならともかく、そこに子供の人生、教育問題を巻き込むわけですから、リスクヘッジは親の人生だけではないのです。

日本国内の引っ越しですら、知らない土地での生活に慣れるにはそれなりに時間がかかるものですので、それが海外ともなれば、その生活基盤の構築は一朝一夕でできるものではないということは容易に想像がつきそうなものなのですが・・・

親として子供のために頑張るという気持ちは根底にあれ、子供とは関係なくいくら頑張っても自分自身の日々の生活の満足度や幸福度が得られないとしたら、海外生活はむしろ苦痛でしかありません。

私の場合はフィリピン歴20年で、経験がない人から比べれば容易にできましたが、それが実現したのもそれまでの蓄積(知識、経験、ローカル社会への適応力、援助)が移住以前に既にあったからです。

単独であればもっと簡単だったかもしれませんが、やはり娘を連れての移住は、そんな私でもローカル援助を得ながら数年はかかったのですね。

最初からネット情報だよりの教育移住を前提とした国選びやスクール情報ではなく、まず自らの生活基盤が作れるのか?どうやって作ればいいのか?を考えることが大切です。

教育移住に大切な心構えと事前対策


日本の習慣、住環境に慣れ親しんだ大人、親世代は子供よりも現地生活に慣れるのに時間がかかります。

食や住環境が合わないなど、日々の生活に直結するような文化、習慣がどうしても受け入れらないようなケースは海外生活においては致命傷になりかねませんので、もちろん国や地域選び、生活環境などを調査するのは当然なのですが、ここでは子供の教育にポイントを絞って解説してきます。

事前準備としての英語学習

教育移住では、例えば現地のインターナショナルスクールで学ぶ!優れた教育環境で英語が学べる!のような英語の習得にフォーカスされることも多いのですが、海外の現地校は英会話スクールではありません。

英語を母国語としない生徒向けのESLクラスなどが充実している学校もありますが、現地の学校は英語の習得だけを目的にしている訳ではないので、他の教科も容赦なく進みます。

教育移住のポイントは、英語を学ぶではなく、英語で学ぶなんですね。

そこを取り違えてしまうと、子供が授業についていけず全体的な教育にも遅れが出てしまうばかりか、英語の習得すらままならないという状態にもなりかねません。

英語にフォーカスするあまり、肝心の教育という部分がかすれてしまっては本末転倒・・・最悪教育難民にも陥るリスクすらあります。

私が娘を連れてフィリピンに移住したのは娘が小学2年生の夏休み中ですが、当時は娘も英語もローカル言語も話せない状態でしたので、まさに教育を始めるどころではありませんでした。

幸か不幸か、フィリピンの学期は毎年6月から3月までで、学期途中の編入は認められないという規則があり、小2の夏休みに移住してきた娘は、すぐに編入することはできなかったため、翌年の正規入学までの約1年は準備期間に当てました。

その間はまずオンライン英会話で英語学習を進めつつ、オブザーバーという形で現地校の授業に参加させてもらい現地の学校に慣れさせること約1年。

この準備期間があったおかげで、比較的スムーズに現地校にスムーズに編入できたと思っています。・・・当の本人は私が知るより大変なこともあったと思いますが(笑)

このように子供の英語習得と教育は切り離して考え対策を講じることも大切なポイントです。

オンライン英会話は、日本に居ながらにして英語に慣れ親しむ、外国人と会話するという感覚を養うことが出来ますので移住準備にはオススメです。

親子留学でお試し体験移住

フィリピンは英語留学で一躍有名になりましたが、私が住むセブにも英語学校が沢山あります。

その中には親子留学というコースを用意している学校もあり、英語学習と海外生活をセットで体験することが出来ます。

0歳から年齢に応じたカリキュラムや1週間程度からでも参加できるコースもあるようですので、お試し海外生活体験には最適かもしれませんね。

海外生活体験としてはフィリピン限定にはなってしまいますが、東南アジアの国を移住先候補とする場合は参考になることは多いと思います。

余談ですが、フィリピンの主な英語学校は韓国系、日系に分かれますが、元々英語留学のデスティネーションとして注目し、英語学校、英語教育環境を構築していったのは韓国系企業です。

韓国は日本より早くグローバル化の促進に着手し、英語教育にも力を入れました。

日本より20年以上早く小学校からの英語教育必須化に踏み切ったのを皮切りに、国家を揚げてグローバル化に取り組んだのです。

そんな韓国の教育環境の変化と同期してフィリピンの英語教育のクオリティを評価、英語学校が続々と設立され、多くの韓国人がフィリピンで英語力を身に付けていきました。

その後の韓国企業のグローバル化、世界での躍進はご承知の通りです。

教育方針、教育の終着点を考える


私は教育移住というからには、その国、またはその国ではなくても、海外の教育環境で教育を完結すべきだと思っています。

なぜなら海外の教育と日本の教育では環境が違いすぎるからです。

教育移住組には、初中等教育は海外で、大学進学は日本でという想定でいる人もいるようですし、中には前項でもお伝えした通り、英語の習得にフォーカスするあまりそこまで考えていないケースもあるようです。

例えば海外である一定期間教育を受け日本に戻ることを前提とすると、海外の学校と日本の学校の教育システムの違い(どちらが高い低いということではありません。)への対応、整合性をどうとるかを考えなければなりませんし、最終的には日本の受験対策という難題が待ち受けています。

受験対策という点において海外と日本の教育の整合性を取ることほど難しいものはないと思われますし、何よりその負担を強いられるのは子供たちです。

そもそも教育移住を検討する理由は、英語教育を中心とした日本の教育に対する憂いからが大半ではないでしょうか?

もちろん国際感覚を養うという意図もあるでしょうが、これも現在の日本では養いずらいということもあり、この点も教育移住を後押しする要因だと思われます。

せっかく海外で教育を受け、英語、国際感覚という教育成果を持ち帰り、それらの点において全く整合性が全く取れていない日本の教育環境、受験戦争に連れ戻すことほど理にかなっていないことはありませんし、なによりその負担を強いるのは子供たちです。

英語を流暢に操る帰国子女が、日本の学校でバカにされる、いじめられる、日本の英語教育レベルに合わせざるを得ない・・・などの話は幾度となく聞きました。

下手をすれば教育移住で成し得た成果を全て棒にふることにもなりかねないほど重要な問題ですので、この点についてもまず考えておかなければなりません。

また、日本語教育をどうするか?という点も考える必要があります。

これはいずれ日本に戻る、海外に活路を求めると問わず日本人の親としては悩ましい問題でもありますね。

この問題については我が家の事情、私の方針を含め改めて記事にしたいと思います。

海外移住成功のカギは親の国際感覚

教育移住と言え、現地で学ぶのは子供だけではありません。

現地生活を通じ親自身も同時に学んでいかなければならないのです。

子供の柔軟性、新環境への適応性は大人よりはるかに優れており、年齢が低ければ低いほど、あっという間に現地の生活に慣れていきますが、一方、日本の社会で培った日本独自の常識、習慣、価値観、固定観念に囚われた大人はなかなか現地生活にも適応できない・・・

そうこうしている間に子供は現地教育、生活から日々学び続け、学力だけではなくその国の習慣、文化を背景とした価値観をも養っていきますので、日本の常識で育った親と現地の常識を育む子供にギャップが生じていきます。

子供に対し現地の生活、教育を重視しようとすればするほどその差は開いていくので、どこかで親の常識、価値観との整合性が取れなくなってしまうのです。

このような問題を避けるためにも、親自身も海外の生活から新たな常識、価値観を学び、受け入れていくという姿勢は欠かせません。

子供の教育は学校教育だけではなく、もちろん家庭の場、何気ない親子の会話からも子供たちは学んでいきますので、学校で習うことと親の常識、価値観が大きく異なっていたとしたら子供たちは混乱しますよね。

よく言われる「日本の常識は海外の非常識」になることが実は想像以上に多いのです。

これは、どちらの常識、価値観が優れているとか間違っているということではありません。

日本では正しくても海外では受け入れられない考え方や価値観が多々あるということ、日本式に固執してしまうと、海外の社会や習慣を色眼鏡でしか見ることができず、かえって現地生活が苦しくなるばかりか、新たな学びも得られなくなるということです。

逆に取り入れるべきではない現地の習慣、マインドも多くあります。

要は日本と海外の国を公平なバランス感覚で捉え、他国の文化や習慣、価値観などを学び、それぞれの良い悪い点を適切に評価する能力を身に付け、悪い点はただ断罪するのではなく距離感を保ちつつ尊重し、良い点は積極的に受け入れようとする姿勢が大切なのですね。

つまり日本の常識、価値観のみに囚われることなく、より広い視点で物事を捉える姿勢を持つ、これこそが国際感覚であり、教育移住の成功は、この親の国際感覚にかかっていると言っても過言ではないのです。

これは、親以前に自身が海外の現地生活に慣れ、現地生活のメリットを十分に享受するために不可欠の姿勢でもあります。

この親子で一緒に国際感覚を養うということが教育移住の最大の目的であり、この国際感覚こそが海外移住を通じて子供の将来のみならず、親自身の人生をも豊かに導くカギなのです。