フィリピーナ(フィリピンパブ嬢、KTV嬢)との恋愛事情

2020.02.22-- 最終更新日:2020/02/22

最近フィリピンと関わりを持つようになった若い方たちはご存じないかもしれませんが、2000年代に日本国内で大流行し、一時は社会問題にまで発展したのがフィリピンパブです。

フィリピン留学や日本企業の進出などの影響で、新たにフィリピンと関わりを持つ日本人が増えたこともあり、かつて社会問題にさえなったフィリピンパブを背景とした日本人とフィリピン人との恋愛問題もまた再燃していきそうな気配がします(既にしてる?)。

ということで今回はフィリピンパブ(日本国内、フィリピン現地)のフィリピーナとの恋愛をテーマにしていきます。

尚この記事は夜遊びを推奨するものではありませんが、実情を認識していただくためにフィリピンの風俗情報を含みますので、不快に思われる方はこの記事は飛ばしてください。

フィリピンパブの恋愛事情


現在フィリピン現地にはKTVやビキニバーといった風俗店があります。

KTVにはローカル系、韓国系、日系のお店があるのですが、日系のいわゆる日本と同じシステムのフィリピンパブはJTVと呼ばれています。

日本国内のフィリピンパブ嬢、フィリピン現地のKTV嬢とも同じフィリピーナであることに変わりはないのですが、まずは日本国内にあるフィリピンパブとその恋愛事情についてお話していきます。

大流行したフィリピンパブ

ここ15年程は日本国内のフィリピンパブには行っていないので現在の様子は正直なところよくわからないのですが、かつては全国いたるところにフィリピンパブがありました。

最盛期の2000年代には、最大で年間8万人以上のフィリピーナが日本にやってきていたのです。

フィリピン留学の留学生が年間で3.5万人程度と言われていますが、その倍近く数・・・いかに多くのフィリピーナが日本にやってきていたかがわかりますよね。

この10年程のフィリピン経済の発展ぶりは目を見張るものがありますが、いまだに貧困が存在しますし、仕事も限られ給与水準も低いのですが、さかのぼること20年前当時のフィリピンは、はるかに経済、生活水準も低く、逆に日本は先進国、経済大国として君臨していた時期。

その日本で働けるわけですから、当時のフィリピンの状況からしたらまさに一攫千金レベルの話で希望者は後を絶たず・・・日本で働ることはある種ステータスでもあったのです。

彼女たちは興行ビザを取得し、タレント(シンガー、ダンサー)という職種で来日を果たすのですが、フィリピン側でまずオーディションを受け、日本で働くための基礎講習、タレントとしての資格取得のための歌、踊りなどの訓練を受け、晴れてビザを取得するという仕組みです。

日本での就労期間は6ヶ月、その後一旦帰国しますがお店側のリクエスト(要請)で再び来日→比帰国・・・を繰り返しますが、売れっ子であれば帰国後数週間程度ですぐに来日を繰り返すような強者もいましたね(笑)

このように、日本、フィリピン両サイドで社会旋風を巻き起こしたフィリピンパブは、2004年を期にマーケットが閉じられていきます。

これは米国務省から「人身売買容認国」と名指しで批判を受け、これにより興行ビザの発給厳格化、フィリピーナの来日が困難という状況になってしまったからです。

フィリピーナを集めることができなくなったフィリピンパブは、その後減少の一途をたどり現在に至る訳ですね。

フィリピーナにハマる男たち


当時は全国あちらこちらにフィリピンパブが乱立し、どの店も連日、連夜大盛況・・・フィリピンパブにはまる男たちの続出は、社会現象にまで取り上げられたほど。

男たちがフィリピーナにはまる理由・・・昨今フィリピン留学などでやってくる人たちからもよく聞かれる「フィリピン人は陽気で親しみやすくて優しい!」みたいなフィリピン人の特長、容姿、美貌など、日本人とは大きく異なる魅力にほぼ瞬殺(笑)されてしまうケースが大半です(笑)

私も実はそんなハマった男の一人(笑)、フィリピーナ妻と結婚するまでの約10年近くはフィリピンパブに通いまくり、同類は私の周り含めわんさかいました。

その中には本気でフィリピーナに恋をし、切々とフィリピンパブに通う男たちも数知れず。

そんな男たちにも支えられ、全国各地のフィリピンパブは大盛況!

そこには悲喜こもごものストーリー、日本人、フィリピーナ双方の事情や思惑、価値観の違いなども複雑に絡み合う修羅場でもあった訳です(笑)

フィリピンパブは疑似恋愛の場

彼女たちは6ヶ月日本で働きフィリピンに帰国、お店のリクエストで再来日を繰り返すのですが、そのうち常連の一人と恋愛関係に陥るというのが鉄板でした。

そうです、あくまで「客の一人と恋愛関係」なので、その他大勢はまあいわゆるカモな訳ですね。

カモというと聞こえは悪いのですが、フィリピンパブは疑似恋愛を楽しむ場でもあった訳で、そこを勘違いしてしまうことが悲劇の始まりだったのですね。

彼女たちは彼氏を探しに来ている訳でも遊びに来ている訳でもなく、客として来店した日本人をもてなし、給料を得ることが目的です・・・要は仕事ですね。

初来日を果たすフィリピーナの大半は現地のクラブやバーで働いていたというような経験などない普通の女の子たちでしたが、半年間の仕事で、日本語の会話、日本人のもてなし方、客あしらいを覚えます。

何度も来日を繰り返すベテランともなれば、日本人側の思惑などもお見通しですし、フィリピーナ本来の陽気さや親しみやすさにこの客あしらいが加わればもはや最強・・・そんなフィリピーナの態度に日本人が勝手に勘違いというのが悲劇の始まり(笑)

彼女たちの中には既にフィリピンに夫、彼氏がいる場合もありましたので、いずれにせよ当時からフィリピンパブで働くフィリピーナとの恋愛は複雑だった訳です。

カモられるフィリピーナ


もちろん全てのフィリピーナがそんなプロ根性だけで仕事しているはずもなく、逆に固定客の一人に恋に落ちるということも決して少なくはなかったので、まあどっちもどっちということでもありますね。

逆にフィリピーナ側が固定客の一人に熱を上げるなんてことも多々あった訳ですが、日本人側は妻子持ちの単なる遊びだったなんてことも多かったのです。

当時はフィリピンパブ通の間で「フィリピーナの落とし方」みたいな会話は日常茶飯事でしたし、あちこちのフィリピンパブに「彼女」を持ってると豪語する強者はどこにでもいました。

カモだったのは日本人だけとは限らないのです。

日本側の偏見、不理解

フィリピンパブは、フィリピーナにはまった男たちには支持されましたが、良く思わない層の方が実は圧倒的に多かったのです。

乱立するフィリピンパブ、街中を闊歩するフィリピーナを目の当たりにすることになる風俗系を良しとしない一般の人たちからは「フィリピンは国を挙げて大量に風俗嬢を送り込んで来る貧しくて卑しい国」と蔑まれていたぐらいです。

これは実は単なる偏見にすぎなくて、そのフィリピン人を風俗嬢として大量に招へいしていたのは日本側な訳で、フィリピーナは単に働きに来ていただけなのです。

フィリピーナにハマった男たちも、実は深層では同じような捉え方をしているケースが大半で、日本(日本人)の方が優れていて、フィリピンは貧しい国という優越感がベースにありました。

このような優越感がベースになっている恋愛関係において、このような日本人側の意識も障害になったことは言うまでもありません。

現在では、フィリピンパブもかつてのように各地にある訳でもなくそれほどメジャーな存在ではなくなり、フィリピン留学等、英語教育という認知も広まってきてはいるので、かつてのような極端な偏見意識は薄れてきているとは思いますが・・・

フィリピンのイメージが長年にわたり悪かった理由は日本との経済格差に加え、フィリピンパブイメージが定着してしまったことが要因です。

日本人とフィリピーナの恋愛の行方


結論を言ってしまえば、疑似恋愛の場を楽しむのがフィリピンパブの正しい遊び方(身も蓋もない)でもあったのですが、そこは日本人、フィリピン人とも生身の人。

カモりカモられ騙し合いがフィリピンパブの側面でもありますが、お互い感情(思惑)が交差することもある訳で、そこがマッチすることで始まる関係ももちろん多くありました。

フィリピンの実情とフィリピーノメンタリティ

フィリピーナが大挙して日本にやってきた理由は、ズバリ、家族をサポートするためです。

育った家庭が貧しく子供の頃から働かざるを得ない、そのため学業もおろそかになっているケースも決して少なくはないので、他に選択肢がないというのが実情です。

当時のフィリピンの経済状況や社会性、生活事情から、当時はイケイケだった日本で働けるということは一種のステータスでもあり、日本人の彼氏を持つ、日本人と結婚することを夢見るフィリピーナも実は少なくはなかったのですが、根底にあるのは家族のサポートなんですね。

当時よりはるかに経済が発展した現在においても、実は彼らをとりまく環境や事情は大して変わってはいません。

このような背景や彼らの価値観が恋愛関係で変わることなどは決してなく、仮に相思相愛で結ばれたとしてもフィリピーナの優先順位は彼氏、夫ではなく、彼らの親、兄弟姉妹が上なのです。

出会った時点で実は未婚の子持ちであることも多いので、最優先は彼らの子供たち。

当時フィリピンパブで働いていた、現在ローカルのKTVで働くフィリピーナに限らず、フィリピーナ妻、その親兄弟姉妹、親族、かつて仕事で採用したスタッフ、ビジネスパートナー含め、過去20年超に渡り数えきれないフィリピン人と交流してきましたが、ほぼこの構図に例外はありません。

日本人の肩に乗ってくる苦難


そもそも家族をサポートするためという目的、事情で日本に働きに来ていたフィリピーナ。

フィリピン現地のKTVで働くフィリピーナも事情は変わりありません。

フィリピンパブであれ、KTVであれ体を張って稼いだお金の大半は家族の生活費、兄弟姉妹の学費等に当てられるのです。

日本人からすると理解しがたい価値観ではありますが、そこにはフィリピンの文化、風習からくる独自の価値観、家族を最優先するフィリピーノメンタリティから来るもので、まずこの点の理解が彼らとの恋愛関係においては不可欠です。

実際のところ、こんなフィリピーノメンタリティを理解することは容易なことではなく、この価値観の相違で破局を迎えるカップルは決して少なくはないのですね。

理解できずとも許容する態度がないと100%破局を迎えます。

そしてこの許容の上に乗っかってくる問題が、彼らの家族のサポートという現実。

彼女らの家族をサポートするという目的、事情はその後、彼氏、結婚して夫となった日本人の肩に乗ってくることになるのです。

日本人とフィリピーナの結婚観の違い



相思相愛で結ばれた日本人とフィリピーナ・・・それぞれ事情は異なるのでその恋愛の行方はもちろん一様ではないのですが、めでたく結婚!した日本人が直面するほぼ鉄板的なパターンは、前述したとおり彼女の家族のサポート問題です。

彼女たちの事情は結婚したからといって何も変わりませんし、意識が変わる訳でもありません。

彼女たちが結婚後も家族のサポートをしようとするのはごく自然のことで、結婚を機に家庭に入るのような日本人独自の価値観は一切理解されません。

彼らにとっての結婚とは、その彼女とその家族との結婚なのです。

まずはお互いの結婚観、家族感の認識の差をどう埋めていくかが最初の障害ですね。

この問題についてはまたあらためて記事にします。

社会問題になった困窮日本人


フィリピーナはタレントして来日し6ヶ月間日本で働き、その後フィリピンに帰国し、次の来日まで待機ということはお伝えしましたが、フィリピンに帰国する彼女たちを追ってフィリピンを訪問する日本人も後を絶ちませんでした。

これはまだ恋愛関係が成り立っている場合はまだいいのですが、フィリピーナの客あしらいを勘違いして一方的に恋人だと思い込みフィリピンに渡るみたいな、嘘のような本当の話もわんさかあったのですね。

実際のところ私が仕事で毎月のようにマニラに飛んでいた時に、そんな彼らに遭遇したことは1度ならず幾度となくありました。

マニラ空港で彼女?と連絡が取れず途方に暮れていた青年を助けたこともあります。

そんな勘違いで帰国したフィリピーナを追ってやってきた彼らが、彼女の言うままに家、車、生活などで有り金、全財産を使い果たした挙句、見限られて有り金もないまま日本に帰国することもできず、フィリピンの地で困窮するという事例が噴出した時期があります。

ちょうどフィリピンパブ全盛期の頃ですね。

彼らは日本の家族、親族の反対を押し切ってフィリピンにやってくるケースが大半だったこともあり、助けを求めることもできず、帰国用の航空券も買えずという状態に陥る訳です。

大使館に助けを求めるケースも多々あったようですが、大使館に彼らを援助するサービスは存在しませんので、路頭に迷うしかないのです。

そんな彼らを救うのが屋台などを切り盛りするようなフィリピンお母さんたち。

彼らも決して裕福な層でもないのですが、困っている人を見放せないフィリピーノホスピタリティに救われるという構図ですね。

フィリピンに限らず、タイなどでも多いようですが、女性に貢いだ挙句という理由ばかりではなく、バックパッカーで訪れた地で長期滞在し、有り金を使い果たし困窮というケースもあるようです。

単に勘違いで勝手に渡比して所持金を使い果たすばかりではなく、結婚して夫婦であったにも関わらず、財産を使い果たした挙句に捨てられるというケースも実は少なくはありません。

こう書くとフィリピン人側が悪意を持って日本人を騙すというふうに見えますが、そのようなケースはもちろんあったとは思います。

その裏側では、頼みもしないのに一方的に金を出す日本人、ローカル言語どころか英語もきちんと話せず、フィリピンの文化や習慣も尊重しない横柄、横暴な態度など、そもそも日本人側に問題があったも多々あったのです。

フィリピーナとの恋愛関係を保つ秘訣


フィリピンパブや現地KTVなどで働くフィリピーナとの恋愛は、その彼らの仕事の性質上日本人側が勘違いさせられる、結果的にお金を貢いでしまうという構図に陥りやすいので、夜遊び系からの恋愛で一番注意しなければならないのはやはりお金の問題です。

恋愛関係以前に少しでも仲良くなると、親が病気になった、妹の学費が払えない等々、暗にお金を無心されるケースも多々出てきますし、恋愛関係においては決して避けられない問題でもあります。

困窮邦人のような例もありますので、特にお金の問題は注意が必要ですね。

いずれにせよフィリピンの文化、彼らのマインドや価値観を理解し、尊重する、受け入れるという態度を持つことが恋愛関係を保つ秘訣です。

当たり前のことなんですけど、恋愛が成就するまでは、好きだのなんだの感情論だけでもいいかもしれませんが、いざ恋愛関係を持つとなった場合には、そんな感情論だけでは成り立たない・・・これはフィリピン人との恋愛だけに当てはまる訳ではなく、他の国の人、日本人同士でも育ってきた環境が違えば、考え方、価値観も異なるのですから。

この点については恋愛関係に限らず、一緒に働く、部下に持つ等、フィリピン人と関わりを持つ日本人すべてに必要なことですので、あらためて記事にしたいと思います。