フィリピンの地震と日本の台風で感じた災害対策と防災意識
昨日のボホール、セブの地震も一夜明けて収束に向かっているようですが、未だ小規模ながら余震も続いているようです。
ボホール、セブ地震の現状
本日10月16日午前11時現在、本震、余震の影響で現時点で110人もの犠牲者が出ているようです。
地震発生直後は数十人でしたが、やはり時間が経つごとに犠牲者が増えていっているようです。さら増えていく気配もあり、今後も心配です。
昨日のブログでも言いましたが、日本と比べフィリピンの建物は非常に弱いので、直接的な被害がなくても、壁や天井に亀裂が入ったり、なんらかの被害を受けている可能性が高いです。
ですから、あまり余震が続くと2次災害につながる可能性もあるので、十分な注意が必要です。
主要なビルでは点検作業も行われているようですが、なんせもともとの設計が心許ないので、点検自体の質も正直疑わしい・・・
個人では、ましてや外国人の私達ではどうにもならない問題なので、気を付けるといっても限界がありますが、それでも意識を持っておくことが大切だと思います。
日本の防災意識って?
昨日のフィリピンの地震で、改めて日本の耐震基準、災害対策のすごさを認識することができました。
フィリピンの昨日の地震はマグネチュード7.2と言われています。
さすがにここまでの地震となると建物が相次いで倒壊するのも無理はないと思われますが、2011年に日本を襲った東日本大震災はマグネチュード9.0。
震源の深さや距離によっても違うのかもしれませんが、東日本大震災では、あれだけの地震であったにも関わらず、犠牲者の90%は津波による被害で、建物の倒壊などによる被害はわずか4%。参照~東日本大震災~ウィキペディア
あらためて日本の耐震基準、建物の強度が保証されていたかをうかがわせる数値ですね。
昨日は地震のことを調べながら、あらためて日本の災害対策ってすごいなぁと感心していたのですが(津波被害が防げなかったのは残念ですが・・・)日が明けた今日、10年に一度とも言われる強力な台風が日本を襲っていました。
そこで目にする記事は、交通機関がマヒ、そんな中でも通常通り会社に出勤しなければならない人たちに関することばかり・・・
ツイッターではセブ在住の元小学校教員の方が、その日の給食を無駄にしたくないために、わざわざ給食時に児童を登校させた学校のことを嘆いています。
10年に一度の非常に強力な台風が関東に上陸するなんてことは、フィリピンに在住している私ですら知っていたことです。
そんな中で普通に通勤、通学しなければならない日本のリスク管理っていったいなんなの?
というのが正直な感想。
昨日やっぱり日本のシステムってすごい!なんて思ってたけど、一夜にしてそんな気持ちも覆されてしまいました。
確かに日本の災害対策はすごいと思います。
でも社会的な災害対策は進んでいても、企業レベルでの危機管理、リスク管理能力が備わっていない・・・
というより災害意識、危機意識すらないということが大問題だと思います。
台風や災害時には交通機関マヒする。これは日本人なら情報検索かけなくたってわかっていること。
世界でもトップクラスの運航システムを誇る日本の交通機関がマヒするような状態の時に、一般の企業が通常の業務を行えるはずがないんです。
むしろ通勤時になにか従業員に死傷事故でも起きたらどう責任をとるのか?
まあ大抵の会社は、通勤時のことなど知らん!というか、良くて想定外でしたと頭を下げるぐらいでしょうけど。
災害対策は進んでいても、災害予防という面では結局国もあてにはできないなと。
少なくとも災害が発生した時の潜在的な安心感、安全度は少なくともフィリピンより日本の方が圧倒的に高いし、国の対策が功を奏しているのも事実ではあります。
現実問題として災害時の被害も圧倒的に日本の方が少ないでしょう。
但し、危ないとわかりきっているときに無理やり会社に出勤して、万が一事故にでも巻き込まれたら、それはもう人災でしかありません。
加えて、災害被害より自殺という人災の方がむしろ深刻なのが日本。
災害時の防災意識はもとよりですが、普段から社会、組織から自分を守るという防衛力も高めたほうがいいのではないでしょうか?
ブラック企業問題もそうだけど、結局のところ自分の安全は自分で守らなきゃならない・・・そんな時代に突入したのかもしれません。
災害意識が間違っている気がします。
確かに会社を、学校を台風ごときで休みにするなんて、日本の社会では許されないかもしれません。
規模が大きければ大きいほど小回りが利かなくなるというのもわかります。
でも何も避難警告まででるような規模の台風の時に、全ての業種・業態・仕事が通常営業しなければならないほど、日本って切羽詰まった状況なのか?と考えると疑問しか思い浮かびません。
学校だってたかが一日休校にしたぐらいで、子供たちの学力が極端に遅れるわけでもないでしょう。