出稼ぎ大国フィリピンのグローバル度

2017.08.24

私達からしたらまるで国内で、しかも同じ東京都内で仕事を探す、就職するぐらいの勢いでどんどん海外に出て行ってしまうフィリピン人。グローバル化が叫ばれる日本ですが、英語教育をはじめとしてなかなかグローバル人材の輩出に苦労している日本も参考にできるところがあるかもしれません。

 

フィリピン人が海外で働ける理由は?

フィリピンでは、労働力を外に放出するという国策を取っている以上、国内産業の空洞化は避けられません。

だから国内には仕事がない・・・

国内産業の育成と労働者の放出は諸刃の剣という経済論はさて置き、大半のフィリピン人は家族を養うために海外に職を求めざるを得なかったというのが現実ではあります。

ただフィリピン並の経済規模の国など世界中たくさんありますが、フィリピン人ほど世界中に出て働いている人種はそうはありません。

国内事情があるにせよ、なぜこれほどのフィリピン人が簡単に海外に出て働けるのか?

その一番の要因はやはり英語教育。

フィリピンの英語教育についてはこのブログでも何度も記事にしていますが、幼児レベルから必須科目として英語教育が始まるわけですから、必然的に英語力が身についていくので、この効果は計り知れませんね。

そして職業訓練教育。

フィリピンでは、海外での雇用を想定した職業訓練教育も盛んに行われています。

フィリピン留学でTESDAがない英語学校は不法学校ですよ~なんて聞いたことがあるかもしれませんが、このTESDA(雇用技術教育技能開発庁)は、フィリピン人の国際競争力強化のための専門教育、技術教育策定・認証・協力を行う国家機関です。

このTESDAと民間企業が連携して、自動車・電気・機械・建築・コンピューター技術などの育成や介護・看護といった医療、ホテルやレストランマネジメントなどの様々な職業訓練プログラムが提供されているんですね。

看護師や介護士、ホテル&ビジネスマネジメント、IT技術、船員など特定専門職能力・技術を習得するための専門学科がある大学が多いのもフィリピンの教育の特長とも言えます。

英語、職業訓練という海外で働くために必要な能力・技術開発が図れることがフィリピン人の海外就労の大きな後押しとなっていることはこんな教育事情からも伺えますね。

さらには過去、そして現代においても、海外文化をふんだんに取り入れてきたフィリピン人のメンタリティ、柔軟性も重要なポイントであると言えます。

フィリピンは日本と同じ島国ですが、スペイン、アメリカ、そして日本と、その歴史上何度も海外列強国から侵略を受けていることから、東南アジアの国でありながら、西洋文化がミックスされた独特の文化、価値観が備わっています。

さらに、多くのフィリピン人が海外に散らばっていることで、現代においても海外文化の流入が続いており、しかもそれがとても身近なこと。

どんな子供でも、必ず身の回りには海外で働いている親戚、知り合いがいます。

船員だったり、建築屋だったり、メイドだったり、必ず親兄弟、親戚の誰かが海外で働いているので、そんな彼らの土産話は遠い異国のおとぎ話ではなく、とても身近で現実的な実話(大げさなフィリピン人ですから多分に脚色が入るのはご愛嬌ということで(笑)

幼いころから海外の国々を身近に感じ、そして物心がつくころには国内には職がないという現実を目の当たりにすることになるフィリピンで育った彼らが、早い段階から海外を意識するのは当然の流れでもありますよね。

また、フィリピンは家族主義で、親兄弟、親類縁者をとても大切にします。

そんな彼らにとっては、家族と離ればなれになる海外での就労は、もちろん一大決心ではありますが、逆に海外で働いてそんな家族を支えたいというモチベーションにもつながっています。

一時期は「アジアの病人」とも揶揄され、国内産業の育成を図らず、国内労働力を海外に放出するというこの政策は、世界中から批判を浴びていました。

それが現在においては、世界経済が沈んでいく中、アジアでもトップクラスの経済成長性を誇り、あらためてフィリピンを再評価する動きも活発になってきています。

国内産業を育成し、世界有数の経済成長を遂げた我が国日本。

国力、経済力で考えれば、フィリピンは日本の足元にも及びませんが、グローバル化という観点でとらえたときにはどうでしょう。

発展途上国と下に見がちだった私達日本人ですが、フィリピンのグローバル度は間違いなくフィリピンの方が上・・・というより日本のように、国内と海外みたいな厳密な区切りはフィリピンにはありません。

グローバル化とかグローバル人材なんて意識もありません・・・それほど海外で働くということは普通のことなんですね。

それこそ彼らの障害はビザ。ビザがもらえるなら何の躊躇もなく大半のフィリピン人は海外に働きにでるでしょう。

ますますボーダレス化していくグローバル社会に対応していくためには、そんなフィリピンを見直す、フィリピンから学ぶことも多いのでは?と思いますがいかかですか?

グローバル化が叫ばれる昨今の日本において、英語教育はもちろんのこと、こんなフィリピン人のメンタリティやバイタリティも見習うべきことが多いのかもしれません。

日本人がこれまで同じように「大学を卒業し、就職し、結婚し、子供を産み、退職し、年金でゆったりと余生を送る」みたいな典型的なライフサイクルを送ることが難しくなりつつある現在において、その「日本の生活」を送る保証が得られなくなるとしたら。

こんなフィリピンの情勢は、決して他人事とは言えなくなってきますよね。