フィリピンの出稼ぎ労働者とその原動力

2017.02.07

アジアの病人と揶揄され続けたフィリピンは今、アジアトップクラスの経済成長を誇り、急速な発展を遂げています。その原動力となっているのがフィリピン人出稼ぎ労働者です。グローバル社会が進む中、彼らのグローバル度に学ぶことも多いのでは?と思いまとめてみました。

 

フィリピン人出稼ぎ労働者の実力

フィリピンが世界中に労働者を送り込んでいることは有名ですよね。

この海外で働く労働者はOFW(Overseas Filipino Worker)と呼ばれており、OFWは、外貨獲得手段としてフィリピン政府が積極的に推進している国策でもあります。

フィリピン政府の外交方針にもこの海外出稼ぎ労働者の保護がうたわれており、いかにフィリピンが国を挙げて海外出稼ぎを推奨しているかがわかりますよね。

2012年現在、海外で働くOFWは1,000万人超、フィリピンの人口が約9,000万人ですから、いかに多くのフィリピン人が海外に出ているかがわかると思います。

ちなみに彼らが海外から送金する額は、2012年度には過去最高記録となる約214億ドルを計上。

しかもこれは中央銀行が把握している送金額にすぎず、非公式ルート(裏送金など)もこのほぼ同水準の額が送金されていると予想されています。

とすると400億ドル超もの外貨がフィリピンに流入したことになり、これはフィリピンの国家予算に匹敵するほどの額でもあります。

OFWが出稼ぎに出る主な国は、サウジアラビアやクエート、カタール、クエート、UAEなど中東諸国、アメリカ、カナダ、シンガポール、台湾など。

OFWと考えるとプラント建設やメイドなど肉体労働、単純労働、サービス系が多い印象もありますが、医師や看護師、船員、エンジニアなどの専門/技術系、マネジメント職など、社会的地位が高いレベルで働いているフィリピン人も実は多く、アメリカやカナダなどの先進国で働いている人たちはこのような層が多いとも言われています。

 

海外で働くフィリピン人の原動力

私の周りだけでも、義理の弟は船員で世界中を飛び回っているし、そのまた弟はパプアニューギニアでプラント建設に関わっています。アメリカで金融関係の仕事をしている叔父、カナダで介護士をしている叔母・・・

ニューヨークで看護婦として働いている、ノルウェーで貿易関係の仕事をしている家内の友人などなど、身の回りには海外で働いている人がわんさか見つかります。

もちろん日本にも。

ちなみに在日フィリピン人は約20万人。日本人と結婚したフィリピン人とその親族など、OFWというより移民してしまったフィリピン人が大半です。

やはり日本人と結婚して日本に住んでいる家内のいとこ、友人もわんさかいたりします。そして日本人と結婚したフィリピン人は、自分の日本の生活が安定してもなお、日本で働こうとします。

その理由は、他の国に散らばったフィリピン人同様・・・国の家族を助けるため。

私の家内も私達が日本にいる時にはスーパーで働いていました。

そしてそのお金はほぼ全額フィリピンの家族に送られます。

家内の実家は貧困家庭ではないので、日本人が思うほど生活に困っている訳ではありませんが、まだ学生の妹の学費や生活費のため送金していたようです。

日本にいる家内の友人も、ほぼ全員、スーパーや工場などで働き、国に送金していました。

世界中に散らばったフィリピン人が、同様にその土地で働く理由、そしてその原動力は「国の家族を支える」ため。

国内に満足な仕事がない・・・家族を残して海外に働きに出なければならないというフィリピンの悲哀ととらえることもできますが、フィリピンの家族観がフィリピンの発展、グローバル化に貢献しているのも事実です。