フィリピンの治安、安全情報

2014.09.08-- 最終更新日:2020/02/03

一般的にフィリピンは治安が悪いというイメージがありますが、アメリカやヨーロッパ、周辺のアジア諸国と比較してもとりわけ悪いということはありません。

但し、貧困問題が根強く、不用意な行動が思わぬ犯罪に巻き込まれる要因になることも否めませんので、十分注意しましょう。

フィリピンの治安、主な犯罪傾向

フィリピンで発生している犯罪の傾向として、スリや引ったくりなどの軽犯罪ナイフや拳銃などの武装強盗、殺人、誘拐などが多く発生しているようです。

日本人が巻き込まれるケースが多いのはスリや引ったくり、置き引きなど。

年に1、2度、日本人が殺害されたなんてニュースも飛び込んできますが、ほとんどがお金絡みのトラブルやフィリピン人女性を巡る色恋沙汰です。

日本人同士のいさかいも少なくありません。

フィリピンでの防犯対策

海外では何が起こっても自己責任。

フィリピンに限らず、海外での安全性はその人の考え方や態度、行動によって大きく左右されるということを十分認識しておくことが大切です。その国の状態を正しく認識し、適正な振る舞いをすることで危険は限りなく回避できます。

危険な場所を把握しておく

どんなに安全と言われる都市でも、必ず危険な場所(スラムや通りなど)があります。

なるべく早い段階で、地元の人などに聞いて把握しておきましょう。

その場所にはどんなことがあっても近づかないことです。

万が一、どうしてもその場所に行かなければならない事情が発生した時には、必ず信頼できる地元の人に同伴してもらいましょう。

なるべく目立たないようにする

Tシャツにジーンズなど、なるべく地元の人たちと同じような格好をして現地に溶け込むこと。

また、高価な貴金属を身につけたり、カメラや携帯電話などの電化製品を街中で取り出すということも避けましょう。

夜間の一人歩きも絶対に避けましょう。

お金の取り扱いに注意する

どんな状況においても、自分がお金を持っているということを悟られないこと。

不用意に不特定の人の前で現金を見せるなどは問題外です。

こちらは小額と思っていても、貨幣価値の違いで周りの人たちにとっては大金と受け取られることもあります。

大抵の場合において500ペソ以上の現金は大金と思っておいたほうが無難です。

やむを得ず大金を持ち歩く際には、財布にドカッと入れておくのではなく、ポケットに分散しておくのが望ましいです。

たかりは無視する

空港やホテル、街中などで話しかけてくるフィリピン人はたいていたかりが目的です。

ストリートチルドレンが寄って来ることも多いですが、安易にお金をあげてはいけません。

一度あげると次から次ぎへと子供たちが寄ってきてきりがなくなります。

可哀想と心情的になる場面ではありますが、ひたすら無視してやり過ごすのがリスク回避につながります。

声をかけてくるフィリピン人には要注意

特に片言の日本語や英語で親しそうに話しかけてくるフィリピン人には要注意。

基本的にフィリピン人はよほどのことがない限り見知らぬ外国人に声をかけてくるなんてことはありません。

睡眠強盗や詐欺など、より大きな犯罪に巻き込まれる可能性もあります。

マニラ首都圏では睡眠薬強盗が多発

つい先日も領事館から標題のような注意喚起情報のメールが届きました。

【安全対策情報】マニラ首都圏における睡眠薬強盗事件に関する注意喚起

これは、ショッピングモールや繁華街で声をかけられ、一緒に行動中に睡眠薬等を混入させた飲食物を勧められ、被害者が眠った好きに金品を強奪するというものです。

この手の事件は、私が初比した当時20年以上前から存在し、以来途絶えたことがないくらい毎年頻繁に注意喚起がなされています。

年々手口が巧妙化しているようではありますが、街中で声をかけてくるような場合は無視、取り合わないのが一番です。

どんなに困っていそうな状況であろうが、ローカルが日本人に話しかける(道に迷ったなど)ことはあり得ませんので、立ち止まったり話を聞いてもいけません。

現地の日本人にも注意する

残念なことですが、現地在住の日本人にも信用できない人たちがたくさんいます。

信頼できる筋からの紹介や現地の日本人会の方々など、ある程度身元がはっきりしている日本人以外との付き合いはなるべく避けたほうが無難です。

思わぬ詐欺などに巻き込まれることもあります。

万が一強盗などの被害に遭遇しても抵抗しない

とにかく抵抗はせず、お金などを渡すこと。

腕に自信があるからといって、絶対に抵抗したり、捕まえようとしたりしてはいけません。

フィリピンではナイフや拳銃などで武装している強盗もいます。

相手が子供、一人だったとしても仲間が出てくる場合もあり、へたに抵抗すると命の危険も出てきます。

一番の予防策は危険な場所を把握し、不用意に近づかない、知らない場所、特に夜間の一人歩きは極力避けましょう!

フィリピンの安全情報は外務省海外安全ホームページ>フィリピンで確認することができます。

自然災害リスク(台風、地震、火山)

フィリピンは日本と同様、台風被害に見舞われる国でもあります。

2013年には、史上最大規模の超大型台風ヨランダ(ハイエン)がフィリピンを直撃し、大規模な被害が出ています。

毎年台風シーズンになると必ずフィリピンのどこかで被害が出るほどの災害リスクがありますので、フィリピンでの台風対策を理解しておきましょう。

フィリピンの台風シーズン

フィリピンの気候は大きく雨季(6月~11月)と乾季(12月~5月)に分かれており、台風は例年9月~11月に多く発生しており、10月、11月にピークを迎えます。

年間を通じて約20前後の台風が毎年フィリピンに襲来します。

日本にも多く襲来する台風は、主にフィリピンの東、北西太平洋で発生し、そのまま直線的にフィリピンに向かうもの、大きく弧を描いて日本方面に向かうものがあります。

フィリピンに向かう台風はルソン島、ビサヤ諸島を抜けるいずれかのルートを進むが、大半はルソン島中部~北部方面を通過ケースが大半です。

過去の台風と被害が多い地域

フィリピン史上最悪の被害を受けた台風は1991年11月にフィリピン中部地方を直撃した台風「テルマ」。

レイテ島、ネグロス島などで6,000人とも8,000人とも言われる死者を出しています。

フィリピンでは毎年ルソン地方を中心に台風被害が発生していますが、被害が拡大するのはビサヤ、ミンダナオ地方が多いです。

これまでは台風がビサヤ、ミンダナオ方面を抜けることは稀で、備えもないため被害が拡大する原因と思われます。

2012年の12月にミンダナオ南部を直撃した台風ではコンポステラバレー、東ダバオなどで1,800人超の死者、2011年11月の台風「ワシ」はミンダナオ北西部に上陸し、カガヤン・デ・オロ、イリガンで1,000人超の死者が出ています。

それまで台風の直撃が少ないと思われていたビサヤ・ミンダナオ地方ですが、2013年のヨランダを含め、3年連続で台風の直撃を受け、ずも甚大な被害が出ています。

また台風の発生は例年8月ごろから始まりますが、ルソン地方を含め大きな被害となるのは11月以降に発生したもの。

毎年11月、12月前半ぐらいまでは台風への警戒を怠らないようにしましょう!

ちなみに直接的な台風被害ではありませんが、過去に甚大な被害を出した例が、2006年に発生したレイテ島の大規模な地滑り災害。

2週間にも及ぶ豪雨の影響により地盤が緩み、大規模な地滑りが発生し、数百の民家、小学校など集落が丸ごと土砂に飲み込まれ、死者300人、不明者1500人とも言われる大災害になりました。

フィリピンでの台風被害の特徴と備え

フィリピンの台風被害では、過去以下のような被害が段階的に起こっています。

  • 1次災害・・・風雨等による直接の被害(洪水、土砂崩れ、地すべり、高潮)
  • 2次災害・・・インフラ壊滅、住居の損壊による生活困難(電気、水、食料)
  • 3次災害・・・物資不足による治安の悪化

過去の例を見ても最も被害が拡大する要因は水と土砂被害。

居住地域の地形などで沿岸部、河川が多いなど、直接水害に繋がる要因はないか、また山岳、丘陵地など土砂災害の危険性はないかという点を確認しておきましょう。

その土地に長く住ん避難でいる人に過去の災害事例などを確認しておくことも大切です。

ヨランダの例のように、町そのものが壊滅的な被害を被るような事態となれば、町の避難所も安全ではありません。

万が一被害が拡大すれば、2次、3次災害も免れないので、台風の規模によっては事前に他の町に一時避難することも想定しましょう。

1次災害を免れたとしても、災害の規模が大きければ、2次、3次災害は免れません。

いくら食料・水などを備蓄したとしても、インフラが壊滅すれば電気、水道、通信が長期に渡り遮断されてしまいます。

続いて治安の悪化

治安の悪化が始まればまさにカオス状態・・・

ヨランダが発生した当時は、私はミンダナオにいて、TVニュース、YouTube、Twitterなどの発信からまさにリアルタイムで動向を見守っていましたが、水・食料不足、衛生面の悪化、そして治安の悪化は非常に深刻に陥り、食料を争う武装集団と治安部隊で銃撃戦とか、先を争うように被災地を脱出しようとする人たちで、さらなるパニックが誘発されるなど、まさに地獄の様相を呈していました。

長期化すれば日本人単独ではまず乗り切れないので、まず1次災害の規模を予測して、とにかくまずいと思ったら事前に他の土地に避難する、避難経路を確保しておく備えが欠かせません。

フィリピンの台風シグナル

フィリピンでは台風警報が4段階で発令されます。

正式名称はTHE PHILIPPINE PUBLIC STORM WARNING SIGNALS(PSWS No.1~4)で、SIGNAL4が最大、最強台風時に発令される警報です。

  • Signal#1

    36時間以内に風速30-60 kphに達する、もしくは断続的な雨が予想される場合。
    被害予測:軽微もしくはほとんどない。
    保育園、幼稚園、小学校までが休校措置

  • Siglal#2

  • 24時間以内に風速60-100 kphに達すると予想される場合。
    被害予測:軽微もしくは中程度の被害をもたらす
    国公立私学のハイスクールまでが休校措置
    避難:子供の屋外活動は中止する。警報レベルが上がる前に財産の保全等を行う

  • Siglnal#3

  • 18時間以内に風速100-185 kphに達すると予想される場合。
    被害予測:重大な被害がでる
    広範囲の停電や通信遮断が起こる
    全ての学校が休校措置、官公庁が休館
    避難:子供は強固な建造物への避難が勧告される(事実上の避難勧告)

  • Siglan#4

  • 12時間以内に風速185 kph以上に達すると予想される場合。
    被害予測:非常に甚大な被害をもたらす
    電力供給や通信サービスが混乱に陥る
    避難:この段階では安全な避難所への避難を完了させておくべき(この段階での避難は遅い)

情報引用元:フィリピン気象庁(PAGASA)Public Storm Warning Signal

フィリピンでは台風警報の発令は非常に早く、規模により学校、企業、公官庁などで休校、強制休業勧告が出ますので、台風シーズンでは特に台風の発生、警報発令に注意を払いましょう。

日本も台風大国で、特にここ数年各地で甚大な被害が出ているにも関わらず、対策が後手後手だったり、台風直撃の最中に会社に出勤する姿が普通だったりしますが、フィリピンでは規模により学校、企業が強制停止になるので、その点は安心です。

比較的軽微な台風でしかも台風ルート上にない土地であったとしても、学校レベルだと比較的早い段階で休校措置が取られることもありますので、十分な対策を講じることも可能です。

フィリピンの台風情報の入手

フィリピンでの台風情報は以下のWebサイトから入手することができます。

上記の各サイトでは、FacebookやTwitterで速報を流したりしますので、フォローしておくことをお勧めします。

フィリピンの地震リスク

フィリピンは日本に直下型大地震を引き起こすといわれているフィリピン海プレートに位置していますので、地震のリスクは日本と同様にあります。

最近では、2013年にはセブ、ボホールでM7.2の地震が発生し、建物崩壊、100人超の死者が出ています。

過去には1990年に発生したバギオ大地震(M7.9)、2012年にはネグロス島沖地震(M6.9)などが発生しています。

2013年の地震発生時には私はミンダナオにおりましたし、過去20年超にわたりフィリピンを行き来し、8年ほどはセブ、ミンダナオに実際に住んでいますが、直接地震の被害に合ったことはありません。

ただ、地震のリスクはありますし、フィリピンの建築物の構造上、それほど大きな地震でなかったとしても、建物倒壊などの被害が出ます。

昨年末~今年にかけては、ミンダナオ地方ダバオ周辺で頻繁に地震が発生していることもあり、台風同様、警戒が必要です。

フィリピンの火山リスク

今年2020年1月12日、ルソン島南部にあるタール火山が噴火しました。

タール火山は、マニラから約60km離れた避暑地、観光地としても人気の高いタガイタイに位置し、湖をいただくその景観で人気が高い観光名所でもあります。

噴火当時はその噴煙は高度1万5千メートルにも及んだとのことで、マニラ発着の航空便が全便キャンセル、遠く離れたマニラ首都圏でも降灰による被害が発生したほど。

現在は比較的小康状態に落ち着いているようですが、依然警報は発令されており、予断は許さない状況です。

フィリピンには日本と同様火山大国でもあり、この他、ビコール地方にあるマヨン山、マニラ西部約90kmに位置するピナツボ火山など、過去大噴火を起こし、甚大な被害を出した火山が存在します。

1991年に発生したピナツボ火山の噴火は、20世紀最大級と言われたほどの大噴火でした。