フィリピン介護事情

2017.03.19-- 最終更新日:2018/04/30

フィリピーノ・ホスピタリティという言葉があるように、フィリピン人の助け合い精神、他者を思いやる精神は家族だけではなく、困っている人、助けが必要な人にも向けらるというフィリピン人の特性が活かされた好例ともいえ、フィリピン人の看護師、介護士は世界中から評価されています。

フィリピンでは家族主義、お年寄りを大事にする文化もあり、日本のような老人ホーム、介護施設などはありません。

病気や老齢による介護が必要になっても、家族が総出で面倒を見ます。これは育児についても言えることですが、フィリピンでは家族、親族の間の助け合いは当たり前なので、老人ホームや介護施設はほぼ需要がないといっても過言ではないからです。

一方でフィリピンは看護師、介護士を世界に放出している看護、介護人材育成国家でもあり、人材の確保に苦労はありません。

このような背景から一時期、フィリピンにおける日本人向け介護ビジネスが話題となり、実際に老人ホームや介護施設などが作られた時期もありました。

日本人村などの構想もいくつも見られましたが、ほとんどが計画を実行できていません。

物価の安さ、豊富な看護師、介護士を誇るフィリピンの潜在力と慢性的な介護人口不足を抱える日本の社会問題がマッチし、フィリピンでの介護需要が高まることが十分期待されていましたが、老後を海外で暮らす不安や病気になった時の医療費問題、当時のフィリピンのイメージの悪さなどが障害となり、現在においても運営している施設はほぼ見当たりません。

現状においてフィリピンでの事業規模での介護サービスが復活する兆しは見られていませんが、日本の高齢者人口の増加、核家族化、少子化、介護施設、介護人材不足という日本人の「介護」問題を解決する術も見当たりません。

このような情勢下において、日本の介護問題に対処しうるフィリピンのポンテンシャルは依然として高いことはいうまでもありません。

 

医療不安、負担をどれだけ軽減できるかがカギ

フィリピンで高齢者を介護することを考える場合、検討しなければならないのは医療問題。

フィリピンの医療水準は決して低くはありませんが、保険がきかないので高額負担は避けられません。また持病がある場合、日本でも普段から病院通いしている場合などでは、その引継ぎにも苦労させられそうです。

高齢者となると現時点で重大な病気を抱えていなくても、病気になるケースは十分考えられます。ですので、介護と医療問題は切り離せない問題であることも事実です。

日本とフィリピンの医療制度や医療水準の違いによる不安や負担をどれだけ吸収できるかがフィリピンでの介護を実現させるカギとなります。

 

フィリピンでの介護を実現させる可能性

病院での頻繁なケア、治療が必要な重篤な病気を抱えていなければ、フィリピンでの介護は十分実現可能です。

フィリピンでの日本人向け老人ホームはほぼ壊滅状態ですが、自分で介護体制を整えるということも決して不可能なことでもありません。

例えば自分で家を借り、メイドや看護婦、介護士を雇う。

さしあたっって重篤な病気がなければ、日々の生活の面倒を見てくれるメイドを雇えば十分。物価、賃金も安いので、正規の看護婦を雇うことも十分可能です。

日本並の便利な暮らしにはそれ相当のお金がかかりますが、節約も十分可能。介護費用負担等を考えれば、仮に同じようなコストであったとしてもはるかにゆとりのある生活が送れます。

何よりフィリピンはお年寄りを敬い、大事にする文化がありますので、お年寄りが気兼ねなく、のびのびと生活することができます。四季がない分、冬の寒さや花粉症などに悩まされることもありません。

単に介護という負を補うだけではなく、ストレスフリーでセカンドライフを満喫するという効果も十分期待できるでしょう。

もちろん、安全対策、言葉、食事、文化や習慣の違いなど、決して楽に体制が整えられる訳ではありません。医療問題も立ちはだかるのは事実ですが、老々介護問題や日本の介護サービスを受けられずに介護疲れやノイローゼに陥るような状態を一気に解決してくれる可能性があることも事実です。

介護問題に悩んでいる、どうにも立ち行かなくなってしまっている・・・将来的に心配という方は、まず試しに短期間でもフィリピンに住んでみるということをお勧めします。