フィリピンの貧困と格差社会

2016.10.15-- 最終更新日:2018/04/30

バンバン建設される高層ビルや豪華なショッピングモール、通りにはストリートチルドレン。びっくりするほどミスマッチな光景がもはや日常と化した現在のフィリピン。フィリピンの勢いある経済成長の陰には依然として深刻な貧困問題が横たわっていますが・・・もはや他人事ではないかも。

 

フィリピンの貧困は決してなくならない?

ここ数年のフィリピンの経済成長は目覚ましいものがあります。

マニラやセブにはバンバン高層ビル、マンションが建ち、ショッピングモールは改装、拡張が繰り返され、日本食レストランが続々オープン・・・

フィリピン人にとっては相当高い、へたすりゃ1食1000円ぐらいするような日本食、1杯200円ぐらいするカフェでも、たくさんのフィリピン人が詰めかけるようになってきました。

その一方でフィリピンは依然、深刻な貧困問題を抱えています。

フィリピンに来たことがある人なら、必ず目にする風景・・・廃材やトタンなどで作られた質素な家々、路上で物乞いをしている人たち、ストリートチルドンレンの多さが、その深刻さを物語っています。

このような人たちはフィリピンでも最下層に位置する人たち。日本人の私達とそんな彼らとの接点は、それこそ町中、路上でしかありませんが、実はフィリピンで暮らしていると生活のあらゆる場面で貧困という問題を突き付けられます。

例えばフィリピンの生活には欠かせないナニー(メイド)。

家には3人のナニーがいますが、全員山間の集落からやって来た10代の女の子です。
下から14、15、16歳・・・もちろん全員住み込みですから学校には行っていません。

小学校をかろうじて出た程度なので、英語もできないし、ヘタすりゃ簡単な計算すらできません。

彼女たちの給料は3食つきで月2,000ペソ程度。月に5000円にもみたない額でほぼ休みなし、朝から晩まで働きます。彼女たちを雇ってるのは、実は義兄夫婦ですが、彼らは学校でカンティーンと呼ばれる学食を開いているので、その業務にも駆り出されます。

小学校しか出ておらず、英語もできない彼女たちには当然将来などありません。
一生ナニーをやり続けるか、なんとかお金をためて小さな商売を始められるか、それともそれなりの年齢になってKTVなど風俗で働くようになるか・・・というところでしょう。

先日、とあるセブのショッピングモールの中にある馴染みのタバコ屋で働く20代の女性と長話をしたのですが、話が盛り上がって来るにつれ出てくるのが彼女の生活への不安や愚痴。

彼女の日給はセブの最低賃金で定められている327ペソ。
日本の高校生のバイドの1時間の時給以下で、1日8時間働いています。

ショッピングモール内で働いている、ファーストフードやレストランの店員などもだいたい同じぐらいでしょう。

そのタバコ屋の彼女の学歴は高卒で、英語もそれなりに話せます。

それでも日給327ペソの職にありつくのがやっと・・・エアポートタクシードライバーとして働く旦那の給料も決して良くはなく、暮らしは楽ではないと嘆いていました。

家で働くメイド、そのタバコ屋で働く彼女も、フィリピンの経済成長とは全く無縁。

1食1000円もする食事、1杯200円もするようなコーヒーを味わえるようになったフィリピン人と一生無縁に過ごすであろう人たちの差はなんなのか?

やはり教育以外なにものでもないでしょう。

フィリピンは教育制度が昨年あたりから変わり、幼稚園の年長~小学校~高校までの12年間が義務教育化されました。

義務教育化されても、うちのナニーのようにかろうじて小学校にいけるレベルだったり、それすら叶わない子供たちもたくさんいるのが現実です。

教育以前の生活で一杯いっぱいの家庭がまだまだ多いということですね。

なんとか高校まで出られても、タバコ屋の彼女のように、定められた最低賃金がかろうじてもらえる程度の仕事しか得られないということも事実です。

フィリピンでは公立と私立の格差が激しく、義務教育で高校まで出られたとしても、やはりそれなりの給料がもらえる仕事にありつける確率は限りなくゼロ。

大学まで行けたとしても、名門、有名校でしっかり勉強して、優秀な成績を残した人じゃなければ、国内の一流企業、外資に就職してまともな給料を得ることはできません。

私立の学校に通わせる、有名大学まで行かせるには、フィリピンでも相当なお金がかかるので、やはりきちんとした収入がある家じゃないととても無理。(日本と比べれば全然安いですが)

日給327ペソで働くモールの店員じゃ、よくて公立に行かせられるかどうか・・・というところ。大学なんてとても無理だし、公立の高校まで子供を行かせられたとしても、同じような最低賃金クラスの仕事しか得られないという悪循環が続きます。

以前フィリピン人の出稼ぎ労働者について記事にしましたが、これだってそれなりの学歴、職歴、専門スキルがないとムリだし、海外に働きに出るという手続きだけでも結構なお金がかかりますから、だれでも簡単にできることでもないんですね。

この先フィリピンは人口も増え続け、経済成長も続くと予想されています。

国全体の経済が底上げされれば、多少はこのような格差は解消されるかもしれませんが、貧困問題は決してなくなることはないでしょう。

日本は逆に人口がどんどん減少し、経済成長どころか停滞、縮小傾向・・・既に格差社会、貧困問題も深刻化してきていますよね。

もはやフィリピンの貧困、格差社会は決して対岸の火事ではない・・・残念ですが、最近特にそう感じています。

フィリピン人は見栄っ張りでかつ新しもの好き(笑)

一見当たり前のように日本食レストランで食事をしているフィリピン人も、決して裕福なわけではなく、実は一生懸命お金をためて来てたり、ヘタすりゃ借金してまで来ている人も決して少なくないというフィリピン事情もあったりしますが(笑)